節分とか恵方とか立春とか

Twitter で連続ツイートしようと下書きをしてたら、やや長くなってしまったのでここに載せることにしました。



2月3日は節分ですね。近年認知度が高まり、コンビニ等で商戦が繰り広げられている恵方巻きの恵方について。2013年の干支は癸巳です。十干が癸(みずのと)の年の恵方は24方位の丙(ひのえ)となり、丙は北を0度、東を90度とする方位角で表すと165度にあたります。

24方位のうち丙などのいくつかの方角は、普段使う8方位(南東など)や16方位(南南東など)では表すことのできません。図にすると上図となります。(進行方向ではなく)北を12時とした時計法で表すと5時半の方角にあたります。

丙(165度)は一般的に今年の恵方として告知されている南南東(157.5度)よりもやや南側で、更に細かくした32方位の南微東(168.75度)より少し東側です。スマートフォンのアプリには方位角がわかるコンパスがあるのでオススメです。

上図の24方位の図を見るとわかりますが、「子丑寅卯……亥」と十二支が使われています。十二支を使った方位は今でも子午線のような形で使われています。また北東、南東、南西、北西はそれぞれ八卦の艮、巽、坤、乾です。

艮は丑と寅の中間にあるので艮(うしとら)、同様に巽(たつみ)、坤(ひつじさる)、乾(いぬい)とも呼ばれます。皇居の南東に位置する江東区辰巳のように二字で記述されることもあります。八卦の残り4つは東西南北に位置し、子卯午酉と重複するため24方位では使われません。

卯と寅のあいだは甲(きのえ=木の兄)、卯と辰のあいだは乙(きのと=木の弟)です。同様に南に丙(ひのえ=火の兄)と丁(ひのと=火の弟)、西に庚(かのえ=金の兄)と辛(かのと=金の弟)、北に壬(みずのえ=水の兄)と癸(みずのと=水の弟)です。

陰陽五行思想では、東は木火土金水のうち木と関連付けられており甲も乙も東に配置されています。同様に南と火、西と金、北と水が関連しています。一方、残る土はといえば中央に充てられているため、戊(つちのえ)と己(つちのと)は24方位には登場しません。

まとめると、24方位は「十二支(12)+八卦のうち十二支と重複しない艮巽坤乾(4)+十干のうち土に関する戊と己以外(8)」で構成されています。今ではほとんど使われませんが、15度刻みのため方位角との対応は行いやすいものです。

そもそも恵方とはなんぞや、というと、陰陽道の考えで歳徳神(としとくじん)がおわす方角でその年の吉方位とされています。明治期までは初詣の際に恵方の神社に参詣する恵方詣が行われていましたが、鉄道会社の宣伝等の影響により廃れてしまいました。



次に節分と立春について。節分は「季節を分ける日」で、各季節の最後の日となります。つまり立春立夏立秋立冬の前日のことです。1年に4回ありますが一般的には2月4日ごろの立春の前日、すなわち2月3日ごろの冬の節分を指します。

古来より季節の変わり目は邪気が生じると言われており、これを払うため豆撒きなどが行われています。節分とほぼ同じ時期にあたる、旧暦大晦日に行われていた鬼払いの追儺(ついな)という儀式から発生したといわれています。

このように季節の区切り、年の区切りの邪気払いといえば、古代ケルト発祥のハロウィン(冬が始まるとされる日の前日)やヴァルプルギスの夜(夏が始まるとされる日の前日)やその名残であるメイフェア(五月祭)などが思い出されます。

旧暦正月は立春から約15日後の雨水を含む(月の満ち欠けによる)一ヶ月ですので、旧暦元日(旧正月)は1月22日ごろから2月19日ごろを推移し2013年は2月10日となります。つまり旧暦2012年12月に立春を迎えます。こういう年の立春のことを年内立春と言われます。

なお、立春は現在では毎年2月4日が続いていますが、2021年もしくは2025年からは4年に一度、2月3日が立春となり、節分は2月2日となります。立春などは太陽の動きをもとに定められるため、長期的には日が変化することがあります。

たとえば秋分は長らく9月23日でしたが、2012年は9月22日になりました。秋分は祝日とも絡むため、一部で話題になりました。 国立天文台暦計算室 秋分の日が動き出す

旧暦の一ヶ月は月の満ち欠けによって決まるので、立春と旧暦元日とは関係ありませんが、節切と呼ばれる節気で区切る節月というのもあります。節切の正月は立春から啓蟄(3月8日ごろ)の前日にあたります。この節月は俳句の季語や風水などで使われています。

立春はこの他、茶摘みの八十八夜などの起算日(第1日目)でもある、ひとつの区切りの日です。暦の上では春。早く暖かくなってほしいものです。



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